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建物の賃貸借は、建物の一部を使用する対価として賃金(家賃)を支払う制度=借家契約

なぜ立ち退き料は払われるのか。

・家主の解約申し入れ&更新拒絶には、自ら使用することを必要とする場合などの「正当事由」が必要

・正当事由が不十分な場合、立ち退き料で補完することで、
家主が立ち退きで得る利益と、借家人が立ち退きによる損害を補填することが可能になる。

・家主は、正当事由がある場合。立ち退き料を払わなくてもよい。

・借家人が応じない場合、裁判所に調停訴えの申し立てをして解決

・私人が自らの手で強制的に紛争を解決する(自力救済)は許されない。(刑事事件に発展して家主が逮捕される)

・裁判は時間がかかるので、立ち退き料で早期解決を目指す。

・借家契約は民法上、債権関係。
(特定の人と特定の人との取引。借家人の権利は、借家契約を結んだ家主に対して主張できる)

物権(他の第三者に対して権利を主張できる)ではない 。
しかし31条で新大家にも主張できるようになった。

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・物権:物を直接的かつ排他的に支配する権利。
・債権:ある特定の人が他の特定の人に対して、ある特定の行為をなすこと(あるいはしないこと)を請求しうる権利

※第三十一条 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
(借賃増減請求権)
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正当事由とは

土地・建物の賃貸借契約において、賃貸人が契約の更新を拒絶したり、解約の申し入れをする際に必要とされる「事由」をいう

何が正当事由となるかは、裁判での判断に委ねられていて、多数の判例があるが、規定の趣旨に照らせば、借地・借家人に有利になる傾向があるのは当然である。判例を受けて、現在の借地借家法では、正当事由は、貸主・借主が土地・建物の使用を必要とする事情、賃貸借に関する従前の経緯、土地・建物の利用状況、立退料の提供などを考慮して判断する。

正当事由の有無の判断は、何で決まる?

①②③の全ての事情を考慮して、双方の必要程度を比較して考えて決まる。

①家主側の事情:(例 建物を必要とする理由、現住居の状態、家族数、職業、資金力)
②借家人側の事情:(例 借家の構造、家族数、現住居の状態、転居先の有無)
③その他借家関係から生じた事情:(例 契約締結時の事情、立ち退き交渉の双方の対応)

家主が裁判を起こした場合

家主が借家人に対して裁判を起こす。
→裁判所は正当事由の有無を見る
→正当事由が認められれば家主が勝訴する。
→家主、借家人双方の全ての事情を考慮して、家主にも家屋を必要とする事情を認めるが、借家人の事情と比較すると不十分の場合、家主は敗訴する。

・立ち退き料は、正当事由は不十分だが、家主が立退料として相当の金を提供するならば、家主の有利的事情として評価して、正当事由を補完することができる。

ここでいう立退料とは:
①借家人の引っ越し先の獲得、移転の困難性
②転居することによる生活&経済上の不利益の軽減させ、賃貸家屋を使用する必要性を減少させる
という意味。

・家主が明示した立退料の額を超える立退料の支払いと引き換えに立ち退き請求を容認する。という判決有

当事者の申立額を超える立退料の支払と引換えに明渡請求を認容することを相当と認めた事例

家主の意思より、裁判所は明示された立退料の額以上の額を決定できる。

立ち退き料は何を基準にするのか?

貸主、借主、どっちがその家を必要としているか。で立退料が決まる

特に重要視されているのは「当事者双方の使用の必要性」

1 家主側の事情

①家主自身が住居として使う場合

・再転勤で戻ってきて、貸していた家が必要になったとき
・家主が住んでいる家が老朽化してきて、貸している家に住むとき
有力だが、借主がこれ以上に借家を必要としていたら「正当事由」はないことになる。
家主の家の老朽化も、どの程度「朽廃(きゅうはい)」しているのか。

②家主の家族、親近者の住居として使用する場合

・息子が結婚するから立ち退いてほしい。→話が具体的になっていれば理由の正当事由の一つになる
・家主の家で、息子が同居していて、結婚後も同居が十分可能なら、必要性は弱くなる。

③家主、家族が営業のために使用する場合

・賃貸家屋を利用して、跡地に新築して営業目的で使用する→正当事由の一つになる。
その場所で始めることが差し迫った状況なら、必要の程度は強い。
しかし事業拡張のためだけでは弱くなる。

・家主が借家人を立ち退かせた後、アパートを立ててアパート経営するという営利目的の場合
家屋が朽廃して倒壊の危険性があるなどの事情がなければ、立退料を払って正当事由を補完しても、立ち退きは難しい場合が多い。

④賃貸家屋が老朽化しているために大修繕、新築する必要がある場合

・家屋が朽廃して倒壊→借家関係は終了する。
朽廃借家が時の経過により自然に建物としての経済的効用を失うこと。
手で押したら倒れそうなレベル。屋根や壁が腐り、雨露をしのぐことさえできない状態。

判決においての「朽廃」とは
建物が社会経済的に見て効用を全うできないほどに腐朽退廃している場合(昭和9年10/15判決)

「住むに耐えないほど破損している」というだけでは、なかなか裁判では「朽廃」と認定してもらえない

・家屋は老朽化しているが、住居として耐用年数が認められる場合→新築&大修繕をする必要がある。建築基準法10条で勧告を受けている場合は大修繕の必要あり。

・しかし、借家人の家屋の使用する必要性は否定できない。
朽廃していても建物の耐用年数は残っているから、家主から老朽化を理由とする立ち退き請求に「正当事由」があるとは認めにくい。
→立退料を払えば正当事由を補完できる場合が多い

耐用年数と減価償却をわかりやすく リンク

⑤その他 家主側の事情

・借家と敷地を高く売却するために立ち退きを求める場合
相続で家主を継承した相続人が、相続税を払うために借家人が借りている家屋&敷地を売却する必要が出て、立ち退きを求める場合。

借家人が住んでいると売却価格の低下、買い手が減るから立ち退きさせる。
家主の必要の程度は弱くなる。

2 借家人の事情

①借家人が住居として使用する必要がある場合

現実に今住んでいる。借家人に必要性は大体認められる。
借家人の最も有利な事情。

借家人が
・荷物置き場として使っている→必要性が弱くなる
・代替え家屋を買う資力がある→必要性が弱くなる
・他の賃貸に転居する資力がある→必要性が弱くなる

貯金がある、お金があるとは言わないこと!

借家人が転居先を見つけれるかどうかは住宅事情に影響される。
※今、コロナで安い住宅がない。
借家人の必要性は賃貸期間、資力の有無、家族構成 で判断される傾向アリ。

②借家人が営業のために使用する
③借家人が賃貸物件を長期間使用した

長いこと住んでいると、その土地での人間関係も形成され生活の拠点としての必要性が強くなる

3 賃貸契約から生じる事情

①借家契約時に家主側に具体的自主が生じたら立ち退く旨の約束がある場合

定期借地借家でないかぎり、借家人に不利益な特約は無効。
ただし「正当事由」の一つとしてカウントされる

②家主と借家人の関係に影響を及ぼす事情がある

・家賃を払わない、無断増築する、乱暴に扱う、

③家主が代替家屋を提供した場合

・大家が代替え家屋を提供してきた場合、借家人が賃貸家屋を必要とする程度は弱くなり、家主有利。
・しかし代替家屋が、現状より劣る場合、家主に有利とは限らない

・場所、構造、広さ、通勤の便、借家人の職業収入資産、家族構成などを考慮して、代替家屋が適しているか決められる

借家人の義務

①家賃を払う義務
②契約により定められた使用目的に従って使用する義務
③家屋を用法に従って適切に使用する義務

立ち退き料が支払われるのは、どういう場合かのチャート

「立ち退き料と関係なく、立ち退きを請求できる」でも、そのためには裁判所で立ち退きの判決をもらい、強制執行をする必要がある
時間と労力の節約のため立ち退き料を払って終わりにすることもある。

立退料の内容。法律上の意味

・借主が立ち退く場合に被る不利益を金銭で見積もって補償する。
・転居の不利益を補填する趣旨で払われる金銭

①立ち退きによって、賃借人が支払う移転費用

・引っ越しにかかる費用・・・梱包、運送、保険、分解取付調整、住所変更、移転通知費
・移転先取得のための支払い・・・敷金、礼金、権利金、不動産の仲介料
・移転した際の家賃増額

② 立ち退きによって 、賃借人が事実上失う利益の補填(居住権)

・居住権の侵害による補償→
移転先が、間取り、広さ、使いやすさ、近隣環境が劣る、駅から遠い、通勤通学、買い物に不便。
精神的、肉体的に不利益を受ける

居住権は精神的な要素が多いので、計算して金額を出すことが難しい。
居住権の保証は「③借家権」に加えるとよい。

③ 立ち退きによって、消滅する利用権の補填(借家権)

本来、存続するべき利用権が、途中で消失を余儀なくされた場合の補償。
借家権:賃貸物件を借りている人に生じる権利
立退料に納得いかなければそのまま居住することが法律では認められている。

借家権は、法律からは譲渡性を認めていない。

立ち退き料の決定に、考慮される2つの事情

①賃貸人の事情
・立ち退き請求後の交渉過程
交渉態度、立退料提示、移転先あっせん、調停経過など

②賃借人側の事情
・年齢、経歴、職業
・資産(移転可能な土地、建物の所有の有無)
・経済状態(年間収入、支出)
・健康状態
・家族構成
・土地に対しての事情 愛着度、通勤時間、自費修繕の有無など)

立退料の支払いは移転費用、居住権、借家権すべて含むのか?

①立ち退きによって、賃借人が支払う移転費用の補填
② 立ち退きによって 、賃借人が事実上失う利益の補填(居住権、営業権)
③ 立ち退きによって、消滅する利用権の補填(借家権)

1)立ち退かせるのに理由が万全の場合

本来なら立退料不要。
しかし強制執行する裁判、判決を得るのに時間&労力をつかうので早く終わらせるために払う。

2)立ち退かせるのに理由はあるが、万全とは言えず、賃借人にも建物の必要がある場合

①立ち退きによって、賃借人が支払う移転費用の補填
②立ち退きによって 、賃借人が事実上失う利益の補填(居住権、営業権)
は必要。
③ 立ち退きによって、消滅する利用権の補填(借家権) も場合によっては必要

3)立ち退かせるのに理由がない場合

①立ち退きによって、賃借人が支払う移転費用の補填
②立ち退きによって 、賃借人が事実上失う利益の補填(居住権、営業権)
③立ち退きによって、消滅する利用権の補填(借家権)
賃貸人の一方的都合で立ち退かせる場合であり、賃借人が承諾する場合のみ立ち退きが可能になる。
全ての補償が必要。

不動産鑑定による借家権価格の評価

立退料の算定として民事調停で借家権の鑑定はほとんどない。
借家権は権利として成熟していないので、参考程度にすぎない。
鑑定で出した価格もあくまで参考程度だから。

不動産鑑定評価基準

①収益還元方式(差額賃料還元方式)
(正常実質賃料ー実際支払賃料)x(複利年金現価率)

動産の収益性に着目。不動産から将来的に生み出される価値を現在価値に割り引いて不動産価格を決定。

②割引方式
(土地価格x借地権割合x借家権割合)+建物価格x借家権割合
建物の敷地に着目して、不動産の価格をもとに借家人の利用権の割合を求める。
計算が簡単なので鑑定以外でも、よく使われる。
https://www.retpc.jp/archives/1681/

③収益価格控除
(当該建物、敷地価格)ー(貸し家、敷地の収益価格)

④比準方式
借家権取引事例価格x当該借家と取引事例借家権との間における各要因比較
借家権の実際の取引に着目し、その取引価格を基準に借家権価格を算定する。

土地の価格

①実勢価格【じっせいかかく】

実際の取引が成立する価格。
時価(その時々に市場で成立している市場価格)

不動産の時価のことで、売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格
取引が行われた場合には、その取引金額が実勢価格になり、
取引がない場合には、周辺の取引事例や公的データ(公示価格、固定資産税評価額、路線価など)から推定します。

②公示価格…実勢価格の8割。

国が調べた「都市の土地価格の目安」
メリット:同じポイントの価格を毎年公示するので、地価変動がわかりやすい。

国土庁が調査地点を定めて、毎年1/1の土地価格を調査して4/1に公表するもの。
地価公示法にもとづいて土地鑑定委員会が公表する土地の価格。(更地の1へいべい当たりの価格)
公共事業のための用地買収価格は、この価格を規準に決めなければならないとされている、かつ
民間の土地取引においてもこれを指標とするよう努めるべきとされている。
国土交通省の検索システムで調べれる

③基準地価

実勢価格の8割。
都道府県が調べた「都市以外も含む土地の適正価格」
知事が土地取引の適正化を図るために、宅地山林の調査点を決めて、毎年7/1の土地価格を調査して公表する。
公示地価の補完的な指標。
メリット:鑑定する土地も、公示地価と基準地価で重複することあり。1/1、7/1で年2回鑑定されて地価の変化がわかる。

④路線価格

実勢価格の5割。
国税庁や市町村が算定した「税金算出の基になる土地の価格」
国税庁が各地の主要道路に面した市街地を査定し、その結果をもとに定める価格。
相続税、贈与税の算出の基準となる価格。
土地が面している道路ごとに設定されているので「路線価」という。

国税庁が公表している路線価を「相続税路線価」(公示地価の8割程度 )
市町村が固定資産税を算出する際に使用する路線価は「固定資産税路線価」(公示地価の7割程度 )
公示価格と連動している。

道路上に記載されている「510C」や「490C」といった表記の数字部分が路線価。
その数字が指し示す矢印内の道路に面している土地の1m2あたりの価格で、単位は1000円。
510なら51万円ということ。ちなみに数字の後ろ「C」は借地権割合を示す記号。
A~Gまであり、Cは借地権割合が70%であることを示している

⑤固定資産税評価額

実勢価格の6~7割。
市町村が3年おきに査定を行う。これを基準に固定資産税、都市計画税が決まる。

★借地権の算定の基準は①実勢価格
実勢価格を正確に知るには不動産鑑定士に鑑定を依頼する。

鑑定士は、取引事例比較法、収益還元法、積算法 各計算価格を算出。
これに、公示価格、基準地価と均衡を図って、対象土地の価格を算出する。

しかし、鑑定を依頼する前に自分で②~⑤を使って、実勢価格を把握してみるべし。

立ち退きの求め方・法的手続き

「賃貸契約の期間の定めがある」場合

①1年~6か月前までに「更新拒絶の通知」をする
期限が来たら立ち退いてもらう

「更新拒絶の通知」をして期間が過ぎても、賃借人が使用している場合は「使用に対する異議通知」をしないと従来の賃貸借と同一の条件で賃貸借をしたことになる。期間の定めがない賃貸借になる。

「賃貸借契約に期間の定めがない」OR
「従前は期間の定めがあったが新たな契約をしなかったため、法定更新されて期間の定めのないものになった」場合

借地借家法 第二十七条:建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
2.前条第二項及び第三項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用する。

解約後、賃借人が借家の使用を継続する場合は、解約後あまり日時を立たないうちに借家人の使用に対する異議の通知を出さなければ、従前の賃貸借が継続することになる。

Q1 期間満了前に立ち退き可能か?

不可。賃借人の了承があれば立ち退く。

Q2 期限が到達したので直ちに立ち退いてもらえるか?

六か月前に更新拒絶の意思表示をしなければ、当然更新となり期間の定めののない賃貸借となる。
正当事由を添えたうえで、六か月後の日時を解約通知を出す。
正当事由がなければ更新拒絶はできない。

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判決においての「朽廃」とは
建物が社会経済的に見て効用を全うできないほどに腐朽退廃している場合
(昭和9年10/15判決)

判例は容易に朽廃の判決を出さない。

https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/tochi/tochi_money/koujichika/#:~:text=%E3%80%90%E5%9F%BA%E6%BA%96%E5%9C%B0%E4%BE%A1%E3%80%91%E9%83%BD%E9%81%93%E5%BA%9C%E7%9C%8C%E3%81%8C,%E5%90%AB%E3%82%80%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E3%81%AE%E9%81%A9%E6%AD%A3%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%80%8D&text=%E8%A8%80%E8%91%89%E3%81%AF%E9%81%95%E3%81%86%E3%81%8C%E6%84%8F%E5%91%B3,%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%80%81%E5%85%AC%E7%A4%BA%E5%9C%B0%E4%BE%A1%E3%81%A8%E5%90%8C%E3%81%98%E3%80%82

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(具体例1)将来結婚する弟に使わせたい

・双方の正当事由の有無を確認する
家賃5マン、敷金15マン

貸主側の事情
1)建物の老朽化
土台、屋根、柱、壁などの状態から倒壊、防災上の危険性が認められるか?
取り壊す必要があるのか?→このケースは築60年超えている木造家屋。戦前の木造家屋の耐久性は比較的長く認められる。居宅として使用可能な状態なのでは?

2)自ら使用する必要性
弟の結婚が具体的ではない。

借主側の事情
1)家屋を使用する必要があるか
他にマンションがあって住んでいない。荷物を置いている。
→必要性は十分ではない

以上を総合すると双方とも自己使用の必要性が十分ではない。
老朽化して取り壊した新築を立てた方が敷地の利用方法として効率的かつ合理的。
東京地裁・昭和56 2/28判決 判例タイムズ498号

※賃貸人は、賃借人が転居に必要な費用を補填するに相当な立退料の支払いを提示した更新拒絶の通知をすること

(具体例2)老朽化した長屋式住居の立ち退き要求

A、家屋取り壊し後の必要性がポイント
一部屋、立退料200マン程度を用意して交渉を始める。

家賃2.2万、敷金2.2万

家屋が老朽化して朽廃の時期が近づき、壊すか、大修繕するか。
ひどい状態の家。区長から建築基準法に基づく勧告 10条1項 を5年前に受けている。
外壁タイルが落下して保安上危険。

しかし、家屋取り壊しでの正当事由として認められるためには、
家屋取り壊し後の敷地の利用方法について家主の具体的な事情が必要。

敷地利用に関する具体的な必要性がなければ正当事由を補完するために立退料を払う必要がある。

借家人の立場になって考えると、家屋が建物としての効力を喪失するまでは賃借権に基づいて使用する利益がある。

※賃借権:貸借契約に基づく賃借人(居住者)の権利のこと。
賃借人は、居住のために建物を使用する権利をもつ一方、賃料を支払う義務を負う。
賃貸人(その物件のオーナーや地主のこと)の承諾がないと譲渡したり転貸することはできない。
民法では、賃借権の存続期間は最長で20年

・公益上の理由だけで立ち退きによる不利益を、全て借家人に負担させるのは不公平。

・アパートを新築するなどの具体的事情もなく敷地利用につき、差し迫った目的もなく、とりあえず一時的に駐車場にしておくという場合は立退料が必要。

(具体例)

①建築後、50年以上経過し、耐用年数も到来し、一般住宅に要求される安全性を欠く、危険な状態にあると認められる長屋につき、立退料150まん
大阪地検 昭和59/7/20 判例タイムズ537号

②同様の案件 東京地裁昭和59/2/28 判例タイムズ527号

(具体例3)効率の悪い老朽貸家を賃貸マンションに建て替えたい

マンション建て替えの目的など有効利用の場合に、借家人の居住権を保護する観点から相当高額の立ち退き代を支払う必要がある。

老朽化し、効率の悪い物件を新築に建て替えて、収益を上げる目的であり、経済的理由に基づく解約申し入れでしかない。

築50年を超えていて建物の状態が朽廃時期に近づいて保安上、倒壊の危険があるなら、立退料をもってして解約申し入れの正当事由を補完することができる。

貸主から立退料、その他条件(借家人に優先入居券をあたえる、代替え家屋を提供するなど)借家権価格+移転費用などが立ち退き代になる

おまけ

どんな場合にいくら払う! ? 立退料の決め方  2017/4/30

居住権(読み)きょじゅうけん
借家人(読み)シャクヤニン。・・・借りている人

実体験 借主側が立ち退きにあって立退料とった話

NOTE:賃貸の立退交渉で200万円以上もらった話【体験談】
非常によいまとめ。
転職を検討している。
今回は契約更新できたら、もうあと2年住めたはずだから家賃2年分くれ。
家賃14万x24かげつ=336万結果212万げっと。

youtube エッグ矢沢
8:00くらいから。

5.5~6万の家で250万

沖縄家賃3万、立ち退き料400万。 というのを見る。
100万はぜったいいこう。今からの家賃は払わない。
家を探すとない。家賃オーバー、女子寮、もっと立退料とろう。
必要になるもの、手間賃を細かくお金で算出していった新しい家になったらカーテン、家具、買い替える。
家を探す、免許書き換え、住所変更、全ての手間賃
残り半年住める権利がある。7~8万の価値がある家x残り18か月住める権利を売りますで、250マンになった。
バイク置き場、新しい家24か月分払ってください。
家は2年間の契約で借りる。2年間立てば更新がかかる。
この家すごく気に入っている。運気がすごくあがっているので、出ていくどころか、更新します。だから出ていく気持ちはない。
相手と交渉、手ごわいと思わせる。
もらえる権利があるし、迷惑をかけられている。友達は150万もらった。

立退料の税金

★立退料は一時所得で確定申告
①(総収入金額-収入を得るために要した費用・経費-(一時所得の特別控除額 50万円)×2分の1…課税所得金額(課税される金額)

②計算して出した一時所得を、その年の収入(お給料/給与所得)と合計して、納める税金を計算する。所得税として課税される。

③(課税対象の金額 x 税率 - 控除額) x 1.021(復興特別所得税)=所得税額

※立退料を得るために支出した金額とは?
その収入を得るために、直接生じたお金が経費になる。

★一時所得(立退料)250万の場合
①{(総収入金額 250万)ー(経費 30万)ー50万)}÷2=85万…課税所得(課税される金額)
②(年収500万+一時所得85万)x0.2ー42万x1.021=76万
※年収500万x0.2ー42万x1.021=58万。立退料だけの税金は76-58=18万。もらった立ち退き代の7%程度

**********
※一時所得とは|確定申告が必要な場合とは? (わかりやすい)

立退料にかかる税金

No.1490 一時所得 国税庁

弁護士費用は経費計上して大丈夫?立退料に関する一時所得の確定申告 

所得税の税率
~695万 20% 控除額427500円
~900万 23% 控除額636000円

そもそも「控除」って何?
①株・不動産を売却して利益を得た時、ふるさと納税の上限枠が増える
②配当控除…配当所得x10%

賃貸の立退料の計上時期について
収入計上時期は、立ち退き料を貰うべき権利が確定したときです。

分割して受け取っても節税できないっぽい。
入居している建物の明渡しをする場合においてその建物の所有者等から取得する立退料は、その受け取るべき日を含む事業年度の益金に算入する。

建物等の退去に際して取得する立退料

立退料の受け取り方

立ち退き料は一般に立ち退きと引き換えなので
立ち退きと引き換えに受け取った方がよい。

振込だとすると振込を確認した後に立ち退きをすることにしないと
立ち退いたのに後で振り込みがなく立ち退き料をもらうのに苦労することにもなりかねません。

弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_1012/c_1236/c_1740/b_351327/  
ただし、現金で受け取るなら必ず数を数えること。
札帯が付いているから、大丈夫だろうと思って数えないでいるのはだめ。
札帯された100万円の束から、1枚2枚抜き取って、相手に渡す輩もいるから。

非弁活動は刑事罰になる。

非弁活動

弁護士法第72条もし、管理会社は賃貸人に成り代わって立退きを行うと、それは「非弁行為」として扱われ、弁護士法に違反になる。弁護士法に違反し,刑事罰が科される。

弁護士法では、立退きのような法律行為を代理で行うことができるのは弁護士に限ると定めているため、弁護士以外の人が代理人なって立退きをすることはできない。

裁判になったときの費用&期間

一般的に…
弁護士費用・相談30分5000円、1時間1万円・着手金10万~&報酬金

法テラス 国によって設立された法律総合案内所
・3回まで無料相談
・法テラスを経由すると安くなる可能性あり
・手取り月収18万以下の人が利用できる。

大家側の弁護士費用、裁判費用・弁護士費用

着手40万+最終的な利益10~20%
250万なら、40+25~50=65~90万払うはず。

だけではない!

最終的な利益とは
大家は立退料100万、借主200マン!じゃあ差額の100万の10%だね~だけではなく、大家が、立ち退きした後の土地で儲ける利益も算出される。
更地を売却、収益があがったマンション経営などなど。

貸主側の弁護士費用、裁判費用・弁護士費用

借主は弁護士を使わず自己弁護で頑張ってもよい。
なぜならば、自分に非はないから。

もし弁護士を使いたいなら
借主側の弁護士費用
・着手金20万~、最終的な利益の5~15%=80万
250万なら、20+12.5~37.5=32.5~57.5万払うはず。
https://miwatomoo.sakura.ne.jp/tachinoki/
100万あればおつりがくる。

 裁判の費用ってどれくらいかかる?相手からとれる? 

訴状が100万なら収入印紙1万、1000万なら5万円
訴訟費用は原告、被告どちらかからとる
弁護士費用は相手からとれない

裁判を弁護士無しでやってみる。自己弁護してみよう

裁判を弁護士無しでやってみた。2回とも完勝!

自分で弁護する。自己弁護。
200万位の裁判だと手付金30マン 成功報酬20%→70万
こちらに非はなにもないから自分でやってみよう。

民事裁判すごく時間かかる。半年~8か月。1年くらい。
裁判の時間自体は10分くらいだった。
金額が50万位なら少額訴訟がある。

裁判で訴えられた!裁判所から訴状が届いたら、まずやるべきこと
・訴状は必ず受け取ること

裁判(民事)で勝つために!裁判のルールを知ろう!
証拠を残しておけ。メール、書面、録音

訴訟額が140マンまで…簡易裁判所
それ以上…地方裁判所
愛知県名古屋市中区三の丸1-4-1(地下鉄「市役所」駅から徒歩10分)

民事調停とは

ビデオ「5分くらいでわかる!!民事調停制度」字幕あり・音声解説付き 裁判所公式 

「民事調停」って何ですか? 裁判所

荒川区行政ナビ「裁判官が答えます!!民事調停」

①手続き簡単
②実情に合った円満解決…裁判官1名、調停委員2名の調停委員会で進む。
③訴訟に比べて費用が安い…訴訟の半額、10マン以内なら500円。
④短期間で解決する・・・ 1か月25%、3か月以内45% 2、3回で終わる。
⑤合意されれば判決と同じ効果がある。

簡易裁判所でやる。
名古屋簡易裁判所…愛知県名古屋市中区三の丸1-7-1(地下鉄「市役所」駅から徒歩10分)

「調停委員」とは何者か

不動産関係は地元の不動産鑑定士。
調停委員になることは非常に名誉なことで、3年任期を4回できると昔は勲章がもらえてた。
調停を数多く成立させた人が優れた調停員で任期を延長できるので、調停委員は大家さんを説得して1件でも多く調停をまとめたがる=借主有利。
逆に大家サイドは調停に出ていくことは不利とわかっているのですっぽかす時もある。

「調停」をわざと欠席して、不調にしてしまえという思惑
「調停」の場で損害賠償交渉に応じる気はなく、最初から裁判を視野に入れている場合、「調停」をわざと欠席し、少しでも早く不調にしてしまおうという戦術を使う者がいるようです。

この場合、無断欠席はせずに「話し合いで解決する気はないので、調停には出席しません」 と、調停委員会に欠席を申告する人もいるのです。
この場合、調停をあきらめるか、正式裁判を起こすしかない。

少額訴訟とは

・1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする,特別な訴訟手続です。
・60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り,利用することができます。
・反訴はできない。(訴えてきた相手を、その裁判中に訴え返す)

法律的な相談先

相談先:弁護士会、業界団体、国民生活センター、紛争解決センターADR
業界団体…大家有利
国民生活センター…借主有利
全国借地借家人組合

その他

建物明渡し請求(借家人の契約違反)
家主は用法違反の事実を知りながら、何の対応もしないでいると、使用目的の変更を黙認したと認められる。

共有エリアに物を置くのを、黙認→使用目的を変更したとみなされる。

【判例】 家主と管理業者の脅迫的立退き行為に慰謝料が認められた (京都地裁判決)
いやがらせされたとき。

 

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