2018~2019年。
平成最後の年末年始の休暇を利用して30代OLひとりで真冬の北海道をMTBで300km自転車旅行してきました。今回の旅行であったことを色々記録します。
目次
今回の旅行の趣旨・方針
- 昨年の交通事故からのリハビリ自転車旅行
- 30代ばばあ一人での極寒の地への自転車旅行
- できるだけ節約旅行
昨年の交通事故にあってから、超引きこもっていたのでどのくらい回復したのか確認旅行。
ゆる~くフワフワやっていく所存です。
目的・ルート
結果的には以下のルートになった。
前回の終着点、網走駅からのスタートとする。
名古屋発ー中部国際空港ー女満別空港ー網走駅ー斜里ーウトロー知床ー知床・岩尾別ー知床ーウトロー斜里ー弟子屈・屈斜路湖近辺で温泉フィーバーー摩周駅ー(電車で輪行)ー塘路駅ー釧路湿原ー釧路ー(レンタカーで鶴居村でタンチョウヅ鶴)ー釧路空港ー中部国際空港ー名古屋着
- 自転車走行距離:283.43km(実測)
- 総高低度:(google mapで後で計測する。とりあえずだいぶ平ら。)
目的は3つ
- 真冬の知床を訪れる。
- タンチョウ鶴が見たい。
- 釧路湿原を訪れる。
年越し宗谷もありなのだが、もう過去に一度おじゃましているし、真冬の知床にも行ってみたい。
噂で真冬のカムイワッカの滝、知床峠にも行ったことがあるってのも聞いたことがある。
滝を登っていくと温泉が湧いているとか…。
まだ自然遺産に登録される前の話だけど。(つまり大昔)
とりあえず岩尾別のゲート、知床峠まで顔を出してみる。
旅行期間・日程
2018/12/28(金)~2019/1/7(月)11日間
12/28(1日目)移動日:名古屋ー新千歳ー女満別ー網走
12/29(2日目)メンテナンス&買い出し:ランプ・ライダーハウス泊
12/30(3日目)ツーリング1日目:網走ー斜里 48.64km、ホテル泊
12/31(4日目)ツーリング2日目:斜里ーウトロ 39.41km、道の駅ウトロ 泊
1/1(5日目)ツーリング3日目:ウトロー知床岩尾別ーウトロ 24.1km、ご飯屋さん宅 泊
1/2(6日目)ツーリング4日目:ウトロー斜里 41.26km、道の駅ウトロ 泊
1/3(7日目)ツーリング5日目:斜里ー川湯温泉 45.31km、EZOライダー 泊
1/4(8日目)ツーリング6日目:川湯温泉ーコトン温泉ー和琴温泉 22.71km、キャンプ
1/5(9日目)ツーリング7日目:和琴温泉ー摩周ー(電車)ー塘路 17km、個室トイレ 泊
1/6(10日目)ツーリング8日目:塘路ー釧路湿原ー釧路 45km、ホテル泊
1/7(11日目)レンタカー:釧路ー鶴居村ー阿寒湖温泉ー釧路。空路にて釧路ー新千歳ー仙台ー名古屋
総費用(滞在費・移動費・食費など)
11日間の滞在で59504円
一日あたり5400円。うーん、いまいち節約できなかった。
※全ての飛行機代、レンタカー、JRも含む
※費用の詳細は今後の日記で明記します。
航空券の手配
今回はアメリカ系航空会社、ユナイテッドの特典航空券を利用。
日本国内線はユナイテッドの特典航空券が一番お得。どんな遠くまで行っても5000マイル。
年末年始だと名古屋ー女満別行の飛行機、平気で片道5万とかして、ちびる。
そんなの出せるわけがないので特典航空券で席を取る。
しかし毎度のごとく直前になって出発を決めるので、ユナイテッドは出発から3週間切った特典航空券は緊急発見手数料7500円を払うことになるので行きはJALの特典航空券7500マイルで名古屋ー新千歳まで行った。
宿
基本的には野宿の方針。冬山登山を経験していれば特に問題はないが、冬山を経験していない人は事前にさむ~~い所(マイナス5度~マイナス10位)での野営を経験してみよう。でもマイナス5度でも下手するとマジで死ぬかもしれないので、よーく考えてやってね。
機内持ち込み物の重量超過は回避する
厳冬期用装備&自転車&スパイクタイヤだと、預け荷物20kgが重量超過しそうになる。
重量超過をしないように「預け荷物&機内持ち込み荷物の重さ」の工夫をする。
ANAは
- 個数制限なし
- 20kgまで
乗せれる。
受託荷物(預け荷物)にするもの
①大きくてかさばるが、軽いモノ。
個数制限がないので、20kg以内なら何個でも預けられるから。
②機内持ち込みできないモノ(危険物、凶器)
手荷物検査で検査員が「これは…危険では?」って思うモノ
例)
ナイフ、ハサミ、先がとがったもの
15cm以上の工具(ドライバー、スパナ、折り畳み六角レンチ=開いた時に15cm以上になったらアウト)
要注意!15cm以上の工具は、「預け荷物」に15cm以上の工具や六角レンチを入れる。
うっかり「機内持ち込み荷物」に六角レンチを入れると、出発時に工具を没収されて、到着後に組み立てれなくて悲しい目にあう。
特に、折り畳み六角レンチは開いた状態で15cm以内!
引用:全体の長さ15cm以下、かつ、シャフトの長さ6cm以下のものは持込可能(グリップ部分とシャフト部分が外せるタイプの場合は装着して計測する)
・・・ってか、そもそも自転車で使う六角レンチのサイズは2、3サイズしかないので、単品の六角レンチに切り替えたほうが軽量化にも良いと思う。
ナイフも首からぶら下げる人、ポッケに入れっぱなしが多いせいか、よく機内持ち込みで持ち込んでしまいがちな品。
なので、預け荷物は、こんな感じにパッキングした。
※自転車のキャリアパッキングし忘れて、無理やりガムテープでグルグル巻きにした。
①自転車(青ブルーシート):16.5kg
・・・自転車本体13.5kg 、スパイクタイヤ2、タイヤチューブ2、キャリア含む)
※タイヤチューブは空気を抜くこと。スパイクタイヤ重いね。
②赤ザック:3.5kg
・・・テント、テントポール、ロールマット、シュラフ、長い工具、ナイフ、
※大きくてかさばるもの。手荷物検査で危険物と判定されるもの等々
重量20kgを簡単に使い切ってしまったぁ…。でもまだ持っていくもの全然あるので機内持ち込み荷物に残りの荷物を詰め込む。
機内持ち込みにするもの
機内持ち込みもサイズ、重量制限あり。
とはいってもそこまでうるさくはない。
明らかに大きなサイズのカバンを持っていると止められるが厳密に重量を計らない。
ANA 国内線機内持ち込みサイズ、重量
100cm~11。5cm以内、10kg以内、一個まで
機内持ち込みのカバンに入れるモノ
①小さくて重たいモノ。
②液体物
- バッテリー、電池、15cm以内の工具(六角レンチ)、ペダル、液体物、缶ジュース、缶ビール
- 「ペダル」は機内持ち込みができた。(ペダル重いから…。でも検査員で違うかもなぁ)
- 工具は15cm以内にして機内持ち込みにする。
- 国内線は機内持ち込みに液体物、食べ物を持ち込んでよい。未開封のビール缶をたくさん持ち込んで良い。
ちなみにこの黒青のカバンは自転車のサイドバックで、一つにも二つにもなるカバン。
服はどこに入れて運ぶ?
厳冬期用の服装備(フリース、ブーツ、ダウンジャケットなど)は着込んでしまい、検査の対象外にしてしまうのもあり。
輪行について
輪行に関してはここにコッテリ書いてます。
国内線の飛行機輪行のノウハウ!
100均レジャーシートで自転車を包んで飛行機に乗せます。
装備について
装備に関しては散々至るところに書いているのでまずは以下を参照してください。
服などの装備について
自転車装備について(これは夏版)
以下に今回の厳冬期・北海道旅行に関して追記する装備を明記する。
スノーブーツの選び方
前回の「厳冬期北海道MTB自転車旅行」ではホームセンターで売っていた防寒ブーツ1980円で行ったが、なにも知らないと凍傷のリスク激上がりなので、今回はスノーブーツを手に入れた。
結果的には「ソレル アルファパックXT」を買った。(ソレルのグレイシャーXTと悩んだが)
- たまたまフリマアプリで安く手に入った(そしてのちにこれが悲劇を生み出す)※これがかなり大きい
- ほどよい防寒スペック(マイナス50度までOK)と、他の商品と比べた、重量の軽さ
ちなみにモンベルもスノーブーツあるけど、そんなに安くないし耐寒温度書いてないしダサいからソレルにした。※写真はアウトレットの値段。
試着できるなら試着した方が良い。
基本的には足の装備は
素足ーアンダー靴下ーベイパーバリアー厳冬期用登山靴下(ぶ厚い)ースノーブーツ
である。
で、東海エリアだと、そもそもこのレベルのスノーブーツは置いてなかった。
ソレルの直営店(名古屋・栄のナディアパークの1F コロンビア クレアーレ店)にもいったけど
一番オーソドックスなカリブーしか置いてなかった。まぁ売れないだろうからねぇ。
カリブーはマイナス40度までOK。しかも二万円位する。高い。
スノーブーツのサイズ・大きさは重要
登山用厳冬期靴下を履いても、まだ足のサイズに余裕がある方が良い(空気の層を作る空間を生み出すため)
特につま先は少しでも当たるようならやめておく。凍傷にならないように。
私は素足22.5cm、通常運動靴23.5cmだが、ソレルは25.5cm(26cmでもよいと思う)を使っている。
つまり通常運動靴より2cm上のサイズだ。
アンダー靴下+(買い物袋)+厳冬期用登山靴下+ソレルで活動していたがちょうど良いサイズだった。
他の人は、通常運動靴25.5~26cm、ソレルは29cm。この人は特段ぶかぶかに掃くので歩きずらそうにしているが、まぁ普通のさむ~い所へ行く人は、大体プラス2cmで良いと思う。
とにかく一回りデカいサイズが良い。
アルファパックXTはマイナス51度までOK。重量は片足737g
一番ハイグレードなグレイシャーXTはマイナス73度まで行けるが、重量が片足1168gもある。
グレイシャーならシベリア、サハリン、極北、オーロラ、どこへ行くのにも悩まなくて良い。
しかし北海道ではオーバースペックではある。しかも重い。
というわけでアルファパックXTにした。
ちなみに北海道の斜里町「坂本ホーマ」に行ったらこんなブーツ売ってた。
釣り具メーカーのRAPALA アイスブーツレディー 3900円 マイナス30度までOK。
これで良いように思えるが…。
RSLC Lady レディー ブーツ下限温度-30℃
https://rapala-e-shop.com/items/5636f5bd3cd482bf06000498
靴底を確認してくるのを忘れたぁ。ホームセンターの防寒ブーツを買うならコレの方がコスパ的にも良い。
スパイクタイヤについて
毎度恒例スオミタイヤ(ノキアンタイア)!
スオミエクストリーム SUOMI EXTREME!
ごっついスパイク!300本ピンが打たれている。スリップしらず。
サイズは26x2.1
ちなみに生産はフィンランドです。
雪深い国で作られているだけありますな!
回転の向きあるから気を付けてね。
矢印の方向に回転するようにタイヤをはめる。
ガス缶の調達、食料、水の確保
ガス・食料・水、これらをどう工面するかは厳冬期エリア(気温マイナスの世界)での自転車旅行の重要なポイントだと思う。
特にガス。雪から水を作りだしたり、水をお湯にする超重要アイテム。
しかし北海道では購入できる所も少なく、さらに年末年始は店は閉まる。
水は持ち運べばすぐに凍結してしまう。
ではどうするか?
書いてたら結構なテキストになったので別ページにします。
後日リンク公開
【装備あれこれ】持って行ったモノ、持って行かなかったモノなど
持って行かなかったもの
- 軽量ダウンジャケット:アウターダウンジャケットあるので不要
- フリースズボン:ダウンパンツがあるので不要。
- オーバーミトン:オーバースペック
- テントシューズ:寒かったら空のザックに足ツッコんで寝れば良い。
- GPS:スマホで十分
- 太陽電池充電器:米軍仕様のモノ。北海道は日照時間が短い&日が弱いので発電力が弱い。
- アクションカメラ:SONY AS300
いつもなら自転車のハンドルにアクションカメラをつけるが、気温がマイナス10度だと起動しない可能性あり。常時懐に入れておかない使えないためカメラはSONY RX100 1つにした。
持って行かなかったが「必要になったもの」
- コッヘルの上
今回の火器・器はジェットボイル&コッヘル下&ジェットボイル付属のカップのみ。しかしコッヘル下でOD缶(ノーマルブタンガス)を温めながら調理をすることになったので
結果、器具が足りず、ジェットボイルで直接ラーメンをゆでるということになってしまった!基本的にはジェットボイルは「お湯のみ作る」というマイルールを作っているので
(そうしないとラーメンゆでた後に洗わずに白湯を作るという事になるので…)
それを破ってしまったので反省。 - ベイパーバリア用手袋
意外にも紛失する。世界は白で、半透明白色のベイパーバリア用の手袋を落とすとどこに行ったのかわからなくなる。要注意。2日に1枚なくしていた!(なくしすぎ!)もう少し予備を持っても良いかもしれない。 - 防寒ブーツの修理で必要になったモノ
(応急処置1)登山靴の紐、結束バンド、針金&ペンチ、ケブラー糸
(応急処置2)ボンド(主成分はスチレンブタジエンゴム)&ガムテープ(ボンドで貼り付けた靴底をしばらく固定する。)これからは針金、結束バンド、ペンチ、ケブラー糸位は持って行く。
- エンドバーに防寒
ダウンミトンをつけていても金属むき出しのエンドバーをずっと握っていると、手が冷たくなってくる。
軽量化もしたいが、何か防寒になるものをエンドバーに巻き付けていくとよい
持って行ったが「使わなかったもの」
- バラクバラ:しかし次回も持っていく
- ライトシェルジャケット:しかし次回も持っていく
行動中は大体、アンダータイツ&長袖&ゴアテックス製ヤッケ で十分だった。
行動終了後はそれにダウンジャケット&フリースジャケットを羽織ればあとは不要だった。行動中の気温はおおむねマイナス5度。海岸線沿いだからだろう。
夜はテント内はおおむねマイナス10度。
公衆トイレはプラス10度に大体設定されていた。 - 手袋/中手(フリース素材):しかし次回も持っていく
インナー手袋&ベイパーバリア用手袋&ダウングローブ で十分だった。
インナー手袋&ベイパーバリアでもスマホの画面をいじることが可能だった。
※恐らく手が湿気っていたため。寒いところだと手袋外すの御法度だけど…。 - CB缶→OD缶変換キット
CB缶→OD缶ブタンガス詰め替えアダプタ、CB缶→OD缶変換アダプター、OD缶湯煎用300mlマグカップ結局OD缶一つで今回のツーリングは終了したため、ブタンガス詰め替え作業や、CB缶を直接使う機会はなかった。
持って行って助かったもの、良かったもの
・シンチベルト
初日にサイドバックが壊れたが(え)、急きょこれで縛り付けて走った。なんにでも応用が利く。
山専ボトル900mlは必須!
行動終了後、ノルマンブタンガスから火を起こす時にお湯(「呼び湯」っていいっていいのか?雪山での水作りの「呼び水」のような感じ)が必須。
※気温がマイナスだとブタンガスは液体になってしまう。
そこでOD缶をお湯につけて気体にして初めて点火可能になる。
ハイパワーガス(プロパン&ブタン混合)でもやはり気温がマイナスだと火が非常に弱いのでお湯が必要になる。
※寒い環境だとプロパンを先に使い切りやすい。ガス缶にはまだ残ってるのに火が付かないって場合はブタンガスが残ってしまっている。
なので行動中に山専ボトルのお湯を飲み切ってしまうとそれ以降、お湯を作ることができなくなってしまう。
行動終了後、夕食作る前に山専ボトルを熱湯で満タンは後回しにして、まずお茶を入れたくなるが、
ガス缶の冷えはかなり早く、OD缶を温めるお湯は結構必要だった。(300~500ml位?)
・夕食作る前:山専ボトルの中身のお湯を熱湯で満タンにする。それから調理。
・夕食後:山専ボトルに熱湯を満タンにする
・朝食作る前:山専ボトルのお湯を使って火を起こす→まず山専ボトルの中身のお湯を熱湯で満タンにする。そして調理
・朝食後:山専ボトルの中身のお湯を熱湯で満タンにする。それから調理。
って感じで過ごしてた。
まぁそんなところかな。
続きをまたかきますー。
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「女ぼっちで厳冬期・北海道を自転車MTB旅行したら超楽しかった件」、一通り拝見しました。
実体験に基づく素晴らしい記事ですね。
トラブル対策は、非常によかったです。
全くの別件で、検索中に立ち寄り少々長いをしてしまいました。
見学者さん>>わ~。コメント&読んで頂いてありがとうございます~(^〇^)
トラブル対応は中々テンパりました!でもこの時の経験を生かしてさらに優秀な修理方法を編み出したので、また記事にします。
「厳冬期・北海道、女ぼっち自転車旅行」は話が途中で放置プレイしちゃってるので、そろそろシーズンなのでまた時間見つけて続き書きます~。またお時間あります時に、是非お立ち寄りくださいませ~。それでは今後ともよろしくおねがいします~。